ふたつの想いが重なるころ


駅を出て、昔通っていた中学校へと向かう。

5年経ってもそこにある景色は変わらず、
懐かしさが込み上げる。


毎日みんなでわいわいと帰った並木道。

青々とした葉のつく木で蝉が鳴く。

あたしが引っ越す前日も、

同じように蝉の鳴く並木道をみんなで帰った。

あの人を除いたメンバーで。


そんなことを思い出しながら並木道を抜けると、
中学校の校門が見えてきた。

そこに4人の人影が見えた。


「おーい、夕陽ー!」


4人があたしの名前を呼んで手を振る。


「みんな久しぶりー!」




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