【KK2】 お化け団地




その子はいつも首から鍵を下げていた。




両親が共働きだからと、鍵を渡されていたらしい。






「もう、大丈夫だから……ユウ…コ」




俺はそう言って立ち上がり、ユウコに背を向けた。




髪が長く、大人っぽい雰囲気のユウコ。








……急患の顔だった。







現実とも夢とも言えない、あの時の患者。




意識がないはずのその患者が見せた笑顔は、ユウコの顔……そのものだった。









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