【KK2】 お化け団地
「大丈夫なら、続きやろーぜ」
友達の誰かの声がした。
「どうする、ヒロト?」
サトルは心配そうな顔をして俺を見た。
「ああ、平気。やり直そうぜ」
頭を軽くさすりながら俺は無理に笑顔を作って見せた。
「おーし、じゃあ鬼はヒロトな。10数えろよ」
その一言で、集まっていたみんなはそれぞれに散っていった。
「いーち…にー……」
俺はゆっくりと数えながら、走っていくユウコの後ろ姿を目で追った。
姿が小さくなるのを俺は眺めながら、10を数え終えようとしていた。