【KK2】 お化け団地
鬼ごっこの続き
「……じゅう」
俺は、脇目もふらず、ユウコが走って行った方へと足を向けた。
その場所には団地がある。
公園に隣接している、古い団地。
天気の良い日ですら、どこか暗く、陰湿な雰囲気を醸し出している。
そんな団地を、みんなは『お化け団地』と呼んでいた。
もちろん……俺も。
別にお化けなんて見たことはなかったが、色々な噂がこの団地にはあった。
『幽霊を見た』
『昔、飛び降り自殺があった』
そんな根も葉もない噂を、子供の頃は楽しんでいた。