【KK2】 お化け団地
「先生、交通事故の患者が運ばれてきました」
外とは打って変わって静かな仮眠室に、当直の看護師の声が響いた。
「年は?」
「30代くらいの女性です」
―― ドクンッ……
何故か心臓が大きく跳ねた。
いつもなら当たり前に出てくる『わかった、すぐ行く』の一言がすぐには出てこなかった。
第六感…というものだろうか。
昔から嫌な事というのは良く当たる。
例えば、抜き打ちテストとかやりそうだなぁ…なんて思っていたら、本当にテストをやったとか……
夕飯、嫌いなピーマンだったりして…なんて思っていたらピーマンの肉詰めだったとか。
まぁ、大した第六感ではなかったが、俺って凄くない?
……なんて思ったりしていた。