【KK2】 お化け団地






「パンツ見えるよ」






俺は彼女に聞こえるように大きな声を出した。






「……ヒロトくん」




パッ…と振り向き目を見開くと、俺の名前を呟くように口にした。




屋上の柵の向こうに人が立っているという光景は、普通の感覚だったら驚き、慌てるものなのだろうが、今の俺にそんな感情はなかった。








「何してんだよ……」






俺はどんな顔を彼女に向けているのか、自分でもわからなかった。







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