【KK2】 お化け団地
2人きりの鬼ごっこ
「吉沢さん、もう少し遊んでからでもいいんじゃない?」
俺は、今にも何もない所へと足を踏み出そうとしている彼女に、そう声を掛けた。
…………。
沈黙が重く感じられた。
無理矢理、彼女を捕まえようにも距離があり過ぎる。
少しでも俺が近寄れば、空へと飛び立ってしまうだろう。
俺は彼女の返事を待つことしか出来なかった。