【KK2】 お化け団地
「そんな事、あるわけないじゃないか!!」
俺は怒鳴っていた。
何故か目に涙が溜まる。
なんか……悔しかった。
自分は大した悩みもなく、ただ来る毎日を過ごしていたのに、彼女は毎日を必死に過ごしていたんだろう。
そしてやっと手に入れようとした矢先、彼女の手から幸せは零れ落ちてしまったと言うのか。
神は……いないのか。
医者をやっていると、事あるごとに神に祈っていたのは……無駄だったのか。