【KK2】 お化け団地






「ただ……毎日、この仕事をやってると、あまりにも自分ってちっぽけな存在だなぁって感じるよ。どれだけ頑張っても救えない……。そんな時は神様っていないんじゃないかって本当に思うよ」






先日も救急車で運ばれて来た子供を救えなかった。






「でもさ、今回限りは、その神様が出てきたんじゃないかな」




「……神様?」






彼女の瞳が大きく開いて俺を見た。






「そう……神様。君を救えって、俺をこの世界に呼んだんじゃないかって思うんだ」






俺はそう言って、彼女の胸を指さした。








―― チリン…








それに応えるかのように、彼女の鈴が鳴った。









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