【KK2】 お化け団地
鬼ごっこの結末
「お母さん……だけじゃなくて、お父さんも私に生きて欲しいって」
そして、彼女は俺の手をギュッと握り返し……
「戻ろう」
と言い、笑顔を見せてくれた。
俺には、彼女のお母さんの声もお父さんの声も聞こえなかったが、彼女が聞いたと言うなら、そうなんだろう。
―― チリン…
ドアの向こうから、まるで俺の思いに応えたように鈴の音が響いた。