【KK2】 お化け団地
「さぁ……帰ろう」
俺はドアのノブを握った。
確信はなかったけれど、このドアをくぐれば、現実世界に戻れるだろうと思った。
鈴の音が俺達を呼んだような気がしたから。
彼女もコクン…と頷いた。
きっと、同じ事を思ったんだろう。
俺は後ろを振り返った。
小学生の俺が生きた時代。
大した悩みなんてなくて、毎日遊んで楽しかった時代。
「さようなら……みんな。またな」
俺はそう呟いてノブを回した。