【KK2】 お化け団地
―― !!
「吉沢さん!!」
俺は大きな声を出し辺りを見回した。
繋いでいた手の先に、彼女の手はなかった。
「あら先生、お目覚めですか?」
俺と目を合わせた看護師が声を掛けてきた。
「ここは……どこ?」
「……先生、頭打ちました?」
そういえば、頭……ぶつけたっけ。
……公園で。
いや、そうじゃなくて。
「あの……さっき運ばれた患者さんは?」
俺は自分の頭の心配より、吉沢 ユウコの心配をした。