キミに極上の恋物語を
私の周りの友達は、ちょっと行き過ぎにも思えるくらい、恋愛に関してだけはペースが早くて。
「華もいい加減彼氏作らないとねー。女は潤いあるうちに経験積んどかないと」
「そうそう、未だに恋は未経験!なんて感じじゃダメだよっ」
とかなんとか言いながら、私にまでそのペースを押し付けようとしてくるんだ。
だいたい私だって、恋にまで未経験なわけじゃないんだからね。
片想いも恋だと呼べるなら、私にだってずっと続いてる恋がある。
それはまるで、あの小説みたいに
密かに見つめ続けるだけの、淡く消えそうな小さな想い。
ただ勇気が出る日を待ちわびる、先の見えない恋心。