【短編】あれもこれも
だから何ですか?
と、言ってやりたい。
「だから何?」
あ。沙耶が言ってくれた。
すると夕くんはうっとりしながら呟く。
「やっぱ3年とは違うよなぁ……。肌のハリとかさ。やっぱ若いっていいよなぁ」
何か……生々しい。
夕くんっていうのは、顔も格好いいし。
スタイルもいい。
おまけに話しやすいっていうのもあって何気モテる。
いい人だとは思うよ?
でも問題がある。
ヤリチン……。
セフレの数は数知れず。
だからあまり関わりたくないっていうのもある。
すると沙耶は呆れたような顔をしながら夕くんを見る。
「まったく……そんなの興味ないっつうの」
うん。確かに。
生々しい話は興味がない。
夕くんには悪いけどね。……はは。
って、待てよ?
夕くんは男。
しかも女のこの扱いは慣れてる。
あたしの悩み……聞いてくれるかも?
「ねぇ夕くん?」
「ん?どうしたぁ?のんちゃん」
あたしの呼びかけにキョトンとした顔で答える夕くん。
「男子ってさ……。付き合ってどれくらいでしたくなるの?」
あたしの質問を聞いて上を見上げる夕くん。
夕くんに質問したあたしを沙耶は呆れ顔で見る。
でも……それを気にせずにあたしは夕くんを見つめる。
すると夕くんはフッと笑った。
「どうした?吉馬の奴にまだ手出されてないの?」
ギク。
ビンゴ。
あたしは苦笑いして見せると、夕くんはまた笑った。
「おれは……常にしたいって思ってるよ。会ったその日から」
真剣な表情であたしを見つめる夕くん。
あたしはそのまま夕くんを見つめる。