ひとりじゃねぇんだ[KK2]
そんな俺の疑問を見透かしたように

『浩二〜お前はわしらの希望やからな』

『ウチの団地から世界を目指すヤツやらお前しかおらんけんな』

と吠えながら一升瓶やらビール瓶やら抱えて奇声を発している…

おっちゃん達は損得抜きに団地のヒーローの俺を応援しに来たんだな…

俺の応援なら…おばちゃんの目ぇ盗んで小さくならんでも済むやろうな

なら…ちっとは旨い酒飲める走りしちゃらな悪いな…

俺は沿道のおっちゃん達に向かって

「おっちゃん達が死ぬまで酒飲みのネタに困らん走り見せちゃあけん目ぇかっぽじてよぉ見とけっ!」

と叫んで前を睨んだ。
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