【実話】だだ漏れ日記
そこはもう、
電車ではなく彼のオンステージ。
 
 
狭い車内の中で一際輝き、
そして、
その分の苦笑いを会得していた。
 
 
最終的に彼は、
着ていたコートを脱ぎ、
ラジカセでも
担ぐかのようなスタイルで肩に乗せ、
電車を降りて行ったのである。
 
 
 
 
あの後彼は
どうしたのだろうか。
 
 
降りた駅でも、
やはりヤラシイ腰つきで
ステップを踏んでいたのだろうか。
 
 
もしまた会う機会があったら、
その時は遠くからこっそり
応援してみたいと思う。
 
 
ちなみに彼は、
“運動”が得意なのかどなのか、
色んな意味で凄い腰つきだった。
 
 
【完】
 
 
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