【実話】だだ漏れ日記
「たっ、タカシくん!?」
 
「ちょ、タカシ!!」
 
 
その声が聞こえていたのかどうか
わからないが、
タカシくんは振り向くことなく
どんどん遠ざかって行き、
やがて見えなくなった。
 
 
 
 
『絶望』
 
 
 
 
ただそれだけだった。
 
 
放課後の校庭なんて
普段誰もいないし、
先生方もとっくに
帰ってしまっていた。
 
 
そんな中で現れた
頼みの綱タカシくんは
お菓子を握らせ、逃亡。
 
 
携帯電話など
ない時代だったので
 
(あっても
 子供は持たない時代)
 
もう助けを呼ぶことは
不可能だった。
 
 
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