【短】Reverse×Chocolate
わかってしまう、彼の気持ち。
でも、彼が目立ってしまうのは
身長だけじゃないと思う。
「12月に、クリマがあったじゃないすか。
あの時初めて、小泉先輩見て、『この人は、俺と同じだ』って思った。」
クリマとは、クリスマスマッチという名の球技大会。
種目はバスケで、あたしはもちろん出場した。
たしかに彼と、あたしは同じ。
身長に、自分の存在価値を奪われてしまう。
「でも、先輩は違いました」
「え?」
あたしに視線を戻した菅原くんが、クスッと笑う。
「先輩は、コンプレックスなんかにしてなかった」
「………」
温かい眼差しで、あたしを見る菅原くん。
その視線に、息を飲む。