薄氷
遠く
こだまする声に振り返れば

それは幻で
私はただ 佇んだ


目の前にある
見慣れた背中に手を伸ばせば

すり抜けた手が
空を掻いた


打てば響く

そんな感覚を
この恋に求める私は

きっと稚拙で
ひどく滑稽なのだろう


それでもまだ
あなたに頼る私の姿は

あなたの目に
どう映るのだろう
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