見えない君に届け

突然現れた男

____今日は4月に入ったというのに寒い…

春は暖かくなるものなのに。と心の中でぼやきながら白い杖をつきながら歩く

いまいち頭に入ってないこの町の地図を必死に思い出して公園に向かう

まだ引っ越してから一年しかたっていない

普通の人なら大丈夫だろうが、引きこもりがちで目が見えない私にはかなりキツイ…

今日は一年ぶりにストリートで歌う

やっと慣れたこの町で歌うのは初めてだけど、ここだろうと、まえにいた隣の県だろうと大して変わらない


歌えればどこでもいい…。



そして、たどり着けた公園のベンチに座り音を紡ぎ出す



誰かの足音が近づいてくる


__お客さんだろうか…。












< 2 / 8 >

この作品をシェア

pagetop