見えない君に届け
「………。」
どうしよう。ここは答えるべきかな。
『あの~。聞こえてる??』
「歌いますよ。」
『えっ…ほんとか!?』
その人はすっごくうれしそうな声で言った。
面倒くさいな…。
早くどっか行ってくれないだろうか。
『あのっ、いっつも気になってたんだ。
名前なに?年は?
って言うか、まだ高校生だよな?親は心配しないのか?』
4つもいっぺんに聞くなっつーの。
めんどうくさいな…。
「だいじょーぶ。
もう、慣れてるから。」
うちの親は、私のこと信頼してるらしいし。
なんかあったら、ケータイあるし、まだ時間も早い。夕方だし。