見えない君に届け
龍という人
夕方6時いつもの公園で歌う。
それはこの町でも、日課になってきた。
あれから龍はほぼ毎日来てくれる。
ほかのお客さんも来るようになった。
『紫音。今日は送る。』
そう、龍は毎日送ると言ってくれる。
でも、いつも断っているけど。
「いいよ。だいじょーぶ。」
『だめ。』
「いい。」
『・・・・送る。』
「・・・・。」
しつこいな、今日は。いつもすぐあきらめるのに。
「わかった。」
しょうがない。今日だけだ。