ハニードハニー
 睨み付けるように先生を見上げたが、少しの間を開けた後、盛大に鼻で笑われてしまった。


「お子ちゃまだな」

「お子ちゃまだから遅刻するんです」

「早く遅刻届けを出しに行くんだなお子ちゃま」

「………」


 そんなお子ちゃま連呼しなくても。

 先生から遅刻届けを乱暴に奪い取ると、教室からすぐに出ていく。

 なんかムカツク。

 あんな人が担任だなんてなんかムカツク。


「あっ『HINA』じゃない!?」


 階段を上がろうとしたところで名前を呼ばれた。

 後ろを振り返るとそこには生徒が何人かいた。


「HINAに会えるなんてラッキー! 新曲聞いたよ」

「またシングル1位だったねー。おめでとう!」
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