ハニードハニー
一向に止む気配がない悲鳴の中、学園の王子は私の方に向き直った。
「その持ってるのは遅刻届けだよね?」
「……はい」
「ちょうど生徒会室に行くところだったんだ。一緒に行こうか」
「……。はい」
彼はそう言うと歩き始めてそっと私に手を差しのべた。
ここは手を握り返した方がいいのか。
そこで無意識に伸びていた自分の手に気付き慌てて引き戻す。
だけどそれは彼が笑ってしまったことによって実現できなかった。
その笑顔に私が引き戻されてしまうのはいつものこと。
「その持ってるのは遅刻届けだよね?」
「……はい」
「ちょうど生徒会室に行くところだったんだ。一緒に行こうか」
「……。はい」
彼はそう言うと歩き始めてそっと私に手を差しのべた。
ここは手を握り返した方がいいのか。
そこで無意識に伸びていた自分の手に気付き慌てて引き戻す。
だけどそれは彼が笑ってしまったことによって実現できなかった。
その笑顔に私が引き戻されてしまうのはいつものこと。