ハニードハニー
「なんか深い歌詞だなー」

「平野さんには……きっと分からないと思います」

「あ、バカにしたな、この」


 平野さんは少し拗ねたような顔をして、軽く私のおでこを叩いた。


「でも俺思うんだけどさ」

「なんですか?」

「彼も私も何色にも染まっていないってことは、今からでも私は彼の色に染まれるってことじゃないかな?」

「――!」


 そう言った平野さんは真っ直ぐに私を見て笑っていた。
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