ハニードハニー


 私は彼の色に
 染まりたかった

 彼は私の色に
 染まりたいと言った

 だけど彼は私の色に
 染まることはなかった



『今からでも私は彼の色に染まれるってことじゃないかな?』


 その一言でどれだけ救われることか――。


「あ、授業が始まるよ。そろそろ戻ろうか」


 授業なんてどうでもいいのに。

 きっといろいろ考えて授業にならないだろうな。

 生徒会室のドアを開け、出て行こうとしている平野さんの背中を見て思う。



 私はいつあなたの色に染まることができるだろうか?
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