ハニードハニー
3.遅すぎた想い
 4時限目の終わりを知らせる鐘が鳴り、昼休みになった。

 教室は一気に賑やかになって、お弁当を広げる人や購買に向かう人がいる。

 自分もお昼にしようとカバンを広げる。

 しかし入ってなかったのだ、お弁当が。


「うそ、忘れてきちゃった」


 遅刻しようが何しようがお弁当だけは必ず持ってきていたに……。

 しかも財布もないし購買にも行けないじゃん。

 少しだけイライラしていると、ポケットの携帯が震えた。

 画面も確認しないで電話に出る。


「もしもし?」

『もしもし雛? 俺ー俺だけどさー』

「あ、違います。それでは」

『ちょっと待てぇ! 切るなよ!』


 でなければよかった。
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