ハニードハニー
 辺りをキョロキョロしたがどこから聞こえたのか分からない。


「雛こっちだって!」


 再度私を呼ぶ声がした。

 食堂の奥の方を見るとこっちに手を振っている人がいた。

 あれって……。


「美咲!」

「ひなあーっ会いたかったよお」


 美咲は私に勢いよく抱きついてきた。


「美咲! いきなり抱きつくと宮下がびっくりすんだろ」

「うるさい、涼介は黙ってて!」

「あ、涼介くんと一緒だったんだ」

「ん、宮下久しぶり」


 美咲が座っていた席の隣には涼介くんが座っていた。

 2人とは中学からの付き合いだ。
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