ハニードハニー
「宮下もう注文した?」

「ううん、まだ」

「じゃあこれ。この中から決めて」


 はい、と渡されたのはメニュー。

 涼介くんってしっかりしてるよなあ。

 メニューを適当に開いて何にしようか選ぶ。

 オムライスも食べたいけど、らーめんも食べたい。


「うーん、カツ丼でいいかな」

「……宮下もカツ丼好きなのか?」

「どうして?」

「部活帰りに蓮先輩もよくカツ丼を食べてるから」

「ダメ? でも兄さんと一緒にしないで」

「いや、いいと思う」


 いいと思うって感じじゃないんだけど。

 涼介くんは軽く下を向いてクスクス笑っていた。


「じゃあ注文してくるね」

「あ、雛。俺も行くよ」


 注文しに行こうと立ち上がると、それまで美咲と話が盛り上がっていた兄さんに声をかけられた。
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