ハニードハニー
 美咲はいったい何を言っているんだろうか。

 落ち着け私。

「えっとその……いきなりどうしたの?」

「だって雛のそういう話って聞いたことないし」

「付き合っている人は、いないよ」

「そうなの?」

「……うん」


 探ってくるような目を向けてくる。

 美咲には言ってなかったんだ。


「そうなんだ、よかった。気をつけてね。雛は歌手なんだから」

「うん、大丈夫だよ」

「恋愛沙汰はやめておいた方がいいよ」

「ははは……」


 やめておいた方がいいなんて。

 もう遅い言葉だよ。

 私は笑って誤魔化すしかなかった。
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