ハニードハニー
「ご苦労さま、雛ちゃん」

「し、社長! おおお疲れ様ですっ」


 社長スタジオにいたんだ!

 どうしよう手土産の一つも持ってない!


「あのっ今日はよろしくお願いします!」


 私は勢いよく立ち上がると、床に頭がつきそうなくらい深くお辞儀をした。

 私の目の前にいる綺麗な女性は、私が所属している事務所の社長だ。

 最近は海外を飛び回っていたらしく顔を合わせることはなかったが、今日、日本に戻って来たのだ。

 まさかこんなところで会うとは……。

 これが緊張しないでいられる訳がない。
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