ハニードハニー

 柏木さんに家まで送ってもらい、お風呂に入り明日の学校の準備をし、寝る準備も完璧にした。

 そしてさっきもらった映画のDVDを観る。

 この映画は神谷さんが天才女優として名を広めた作品らしい。

 内容としてはミステリーもので、彼女の周りでおきていく事件に立ち向かっていくという話だ。

 この頃はまだ中学生とか…


「すごい…きらきら輝いてる」


 画面の向こうの彼女はまさしくプロ。

 女優YUURIそのものだ。

 周りの俳優さん達に負けないオーラ、演技力、人を惹きつける魅力。

 私は彼女に夢中になって映画を観ていく。

 映画も中盤に差し掛かったくらいだろうか、彼女が泣くワンシーンがあった。

 大好きな姉が行方不明になり、探しても探しても見つからなくて涙を流してしまうというシーンだが、なぜかそこで違和感を覚えた。

 なんというかそこだけ、すごく演技染みていた。

 なぜかは分からないけれど。
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