ハニードハニー
 通学中美咲と会った。


「雛にしてはめずらしんじゃない? こんなに余裕をもって学校に向かってるとか!」

「なんか早起きしちゃったんだー」

「いいことじゃん! そうだ、今度の日曜日涼介とランド行くんだけど雛も行く?」

「えっ行きたい! 休みとれるか聞いてみるね」


 こんな日常会話を彼女としたいな。


 教室に入るとみんながみんな、今日は早いね、とか遅刻じゃないんだね、とか言われた。

 窓際の一番後ろの席。

 そこが私の席。

 その隣にはすでに神谷さんが座っていた。


「おはよう神谷さん」

「……」


 ですよねー。

 無視されたのは気にしないで自分の席に着く。

 早く来たのはいいけどホームルーム始まるまで何をしてればいいんだろう。

 神谷さんは英語ばっかりの本を読んでいた。
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