ハニードハニー
　あっという間に放課後になった。

　今日の授業は集中できなかった。

　いつもしてないけど。

　教室内は放課後なので少しがやがやしていたからここでは話しづらい……。

　静かなところがいいな。


「神谷さん」

「……」


　相変わらず英語ばかりの難しそうな本を彼女は読んでいた。


「帰りながら話したいんだけどいいかな」


　そういうと少しの間を置いてから、神谷さんは読んでいた本を閉じ帰る準備をすると、カバンを持って教室から出ようとした。

　私もその後について行く。

　玄関まで行く道のりは一言も会話をしなかったけどとりあえず隣を歩く。

　顔小さいな……。

　髪もサラサラのブロンドでその顔の表情からは考えを読み取れないようなミステリアスな雰囲気。


「見て見て、HINAとYUURIが一緒に歩いてるよ」

「あの二人仲がいいんだね～」


　すれ違う生徒達にそう言われた。

　私は特に反応しなかったけれどもちろん彼女も反応しなかった。
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