ハニードハニー
「幻滅なんてさせないよ。アメリカから帰国してきたこと後悔させない。だって私はプロだから」


 彼女が私のことを普通の女の子と言ったように、彼女もまた普通の女の子なんだ。

 そう言い切る自分。

 自分で言って恥ずかしくなるようなセリフだ。


「……」


 神谷さんはまた無言に戻ってしまった。

 整った顔に綺麗なブロンドの髪。

 黙っているととても絵になる彼女。


「あなたって面白いことを言うのね……」


 それは褒めているのか、馬鹿にしているのか。

 ただそう言った彼女の顔は笑っていたのだ。

 神谷さんが私の前で初めて笑った。


「うそ! 神谷さんが笑った!」

「あなたがあまりにも面白いからよ。何も考えてなさそうな顔して意外とすごいこと言うのね」


 何も考えてないなんて、そう見えていたのね。

 

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