あの日に帰りたい
最終章
目眩は続いた。私はこのまま、ふらつき続けるのでは、と思った。私は目をつぶり、それと同時に意識が薄れていった。私は深い闇に落ちていった。
目が覚めると、私は、あの入院しているリハビリ病院のベッドの上に横たわっていた。起き上がろうと身体に力をいれたが、左手と左足は自由には動かない。どうやら、元の世界に帰れたらしい。私は傍らにあった車椅子に乗り移って、顔を洗いに行った。元の世界は、あのタイムスリップした世界に比べて、悲しいくらい不便だった。でも、これが私の選んだ道だった。私は懸命に生きて、人生を切り開いていく。まっすぐに。 〜第一部 完〜

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