あの日に帰りたい
私は静岡県の静岡市に生まれて、父親がサラリーマンではなく、自営というか、自由業者だったので、転勤というものがなく、生まれてから高校卒業までの18年間を静岡市で過ごした。私は郷土愛がとても強く、いつかゆっくりと田舎に帰りたいと思っていた。その願望の強さもこの事態を招いた一因だったのかもしれない。
私はうだるような真夏の日差しを受けながら橋を渡った。
そして夕暮れ時になって、私はようやく繁華街にたどり着いた。
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