あの日に帰りたい
正直言って、私は歌はそんなに上手くなかった。いや、おそらく下手な方だったろう。そんな私が何故ボーカルをやろうとしたのか、たぶん、俊ちゃん達と一緒に遊んでいたかったのだろう。女の子にフラれて、俊ちゃん達まで離れていってしまってはあまりにも寂しすぎるから、強引にボーカルに立候補したのだろう。どうせバンドやるなら、サックスにすれば良かったと後年思ったが、その時は、バンドに加わることで精一杯だった。
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