あの日に帰りたい
手痛い失敗電話にも、懲りずに、私は最初の電話から、約三時間後にもう一度みやびの家へ電話した。夜になるまえに電話しないとみやびの両親が出る怖れがあったからだ。まあ、日曜の昼間だから、親がいる可能性は平日よりは高いのだが。私は親が電話に出ない可能性にかけた。
今度は一度の呼び出しで、誰かが電話に出た。「もしもし。僕・・」「あたしだけど」私が名乗る前に、みやびが応えた。「何の話?」氷のような冷ややかな声だった。

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