特別保健委員会

安心から来る昂揚感で散々はしゃいで万歳をした後、ふと思いあたった。

「あの、会長。」
「なんだい?」
「その…計算、で位置の特定ができてたんですよね…?」
「そうだよ。」

まばゆい光を放つ笑顔に負けてはいけない。
私はおずおずと、会長を見上げながら尋ねた。

「だったら、人手…というか私、いらなかったんじゃ…。」
「よく気付いたねぇ。」

お、今のは結構ささったぞ。
なんだ、私はなんのために居たんだ!

会長を見る視線が怨みがましくなってしまったのだろうか。

会長は小さく笑ってから、私の頭に手を乗せた。
小さい子にするような、優しい仕種。
土の匂い、それと少しだけ、甘い柑橘系の香りが鼻をくすぐって、妙に恥ずかしい。
思わず、下を向いた私に楽しそうな声音がふる。

「大丈夫そう、だね。」
「へ?」

顔を上げると、心地好い香りが遠ざかる。
< 17 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop