特別保健委員会
安心から来る昂揚感で散々はしゃいで万歳をした後、ふと思いあたった。
「あの、会長。」
「なんだい?」
「その…計算、で位置の特定ができてたんですよね…?」
「そうだよ。」
まばゆい光を放つ笑顔に負けてはいけない。
私はおずおずと、会長を見上げながら尋ねた。
「だったら、人手…というか私、いらなかったんじゃ…。」
「よく気付いたねぇ。」
お、今のは結構ささったぞ。
なんだ、私はなんのために居たんだ!
会長を見る視線が怨みがましくなってしまったのだろうか。
会長は小さく笑ってから、私の頭に手を乗せた。
小さい子にするような、優しい仕種。
土の匂い、それと少しだけ、甘い柑橘系の香りが鼻をくすぐって、妙に恥ずかしい。
思わず、下を向いた私に楽しそうな声音がふる。
「大丈夫そう、だね。」
「へ?」
顔を上げると、心地好い香りが遠ざかる。