特別保健委員会
「当たったのは、頭ー、ですけど。」
「げっ、こぶ出来てない?」


多分大丈夫、と呟いて確認のため頭に手を当てる。
うん、相変わらず脳みそがない小さい頭なのは悲しいけど、特にぼこぼこしてはいない。


「やっぱり、大丈夫です。石あ…」


石頭なんで、と言おうとた言葉は途中で引っ込んだ。
突然、わしゃわしゃと、大きな手が私の頭を撫でたから。


「な、なな!?」
「なな?いや、本当に大丈夫かと。」
「や、私、石頭なんで、大丈夫です!」


自慢じゃないが、生まれてから15年ちょっとの人生の中で男子に殴られたりはたかれたりはしても、こんな身を案じて頭に触れられた事はない。

しかもこんな、なんちゃって爽やか男子に!!
(先輩かも知れないのに、なんちゃって爽やか男子は失礼か。)


「ん、ならいいけど。でも、念のため。」


念のため?、と聞き返そうとした私は腕を掴まれ立たされた。
ちょ、二の腕掴まないでー!!と心は大絶叫。
そんな私の心中を知るはずもなく。


「保健室、行っとこうな。」


ボールを左手、私を右手で捕まえた爽やかさんは、すたすたと歩きだした。
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