闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
第一章
転校生
見慣れた街並みを離れて、2時間程が経つ。
緑が多くて、周りの家々は赤い屋根に白い壁。
まるで風景はヨーロッパ。
『白城村(しらきむら)へようこそ』の看板に誘導され、車に揺られながらデコボコ道を進んでいく。
「一回こんな場所に住んでみたかったのよねー 」
お母さんの声が弾んでいる。
「すごいカッコイイよねー! 」
私の隣でお姉ちゃんがはしゃいでる。
来る前は「田舎なんかに行きたくない」とか言ってたくせに。
私は呆れた顔でため息を付いて窓の外を見た。