闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~

「なんか女子がエドマンドの車から出てきたんだけどーっ! 」


「ずるい! 誰あんたっ! 」


「レイ様ーっ! かっこいい♡ こっち向いて下さいー! 」


「イヤーっ! ケイトから離れてーっ! 」



言われなくても離れますよっ。


てか、別にくっついてないし!


私はその渦の中に巻き込まれまいと、素早く後ろへ下がった。



「ルキア、どうゆう事なの?! 」



私を見た芦屋が、物凄い形相で睨み付けてきた。


うわ、厄介なのが出て来た。


早くここから脱出したいけど、人が集まりすぎて前へ行くに行けなそうだ。


この光景にうろたえていると、急に腕を掴まれてグイッと引っ張られた。


ルキアは私の手を握り、人の波に揉まれながら校舎の中へと誘導してくれた。


後ろで女の子たちの悲鳴のような叫び声が聞こえてくる。


女って恐ろしい。


圧倒されながら、私たちは教室へと向かった。



「もしかして、私ってまだ危険なの? 」



私の手を引っ張りながら前を歩く彼に、内心ドキドキしながら問いかけた。



「今は大丈夫だけど、なるべく傍にいろよ 」



握られたままの手を見て、私の胸は熱くなるばかりだった。



そうゆう事、こんな状態で言うの反則だよ。



なんでまだ手離さないのよ。




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