闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
第二章
黒い三日月
午前の授業が終わりのチャイムが鳴った。
生徒たちは昼食へと足を進める。
ルキアには「学校でも一緒にいろ」と言われたけど、優希といたいと断ってしまった。
四六時中ルキアと一緒に行動してたら、女子たちに刺されかねない。
「じゃあ、先に食堂行ってるね 」
「うん、私もすぐ行くよ 」
私は食堂へ行く前に、担任の三上先生から呼び出されて職員室へ寄ることになっていた。
何か問題でもあったかな。
廊下を歩いていると、前から1人の男子生徒がこちらへ向かって来るのが目に入った。
歩くたびに揺れる綺麗な金髪に目を奪われ、あの3人とどこか雰囲気が似てる気がした。
独特なオーラを見にまとったその人物は、とても儚げで冷たい目をしているように見えた。
なんて寂しそうな目をしてるんだろう。
横を過ぎようとした時、一瞬彼と目が触れ合った。