闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
すると、彼の唇が微かに笑ったように見えた。
「みーつけた...... 」
そう聞こえた気がして、私はふと足を止めた。
振り返ると、こちらを向いた彼が笑みを浮かべて立っていた。
綺麗な笑顔と冷たい目の不自然さが、私に違和感を感じさせた。
「キミ、最近来た子? 」
「え、そうですけど…… 」
その人はとても大人っぽくて、同じ高校生に見えないけど、制服を着てるし留年生かな。
それに瞳が変わった色をしている。
ブルーがかったグレーのような、カラコンでもしてるのかな。
「ずっと、探してたんだ 」
「お会いした事ありましたっけ? 」
私は首を傾げて目を丸くした。