闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
「マズイな…… 」
「何がっ! 」
ドキドキしながらチラッと横目で隣を見ると、ルキアの綺麗な上半身が目に入った。
まだ服着てないのか!
それにしても、男の子の素肌とは思えないくらいきめが細かい。
見たくないけど、見たい。
見たいけど、見れない。
心の中で葛藤していると、突然目の前の枕が奪われた。
「ちょっと! 」
ルキアが悪戯な笑みを浮かべてこっちを見た。
「そんなにコソコソしなくても、言えばいくらでも見せてやるけど 」
そう言って私の首に手を回すと、グイッと自分の胸に引き寄せた。
ちょ、ちょっと!
生の素肌に抱き締められるとか、今の私にはキャパオーバー過ぎる!
「なんだよ。もしかして、男の裸見たことないの? 」
「きゃーっ! それ以上言ったらぶん殴るよっ! 」
真っ赤になりながらポカポカとルキアの胸を叩いた。
その拳はいとも軽々と受け止められた。
ルキアはじっと何かを考えているように、一点を見つめていた。
「......どうしたの? 」
「ちょっとね…… 」
そう答えながら、ルキアは服の袖に手を通した。