闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
「もしかして、さっき話した人に関係ある? 」
理由は分からないけど、ルキアは何かを感じ取っているのかもしれない。
「やっと見つけたって、どういう意味だったんだろう 」
「……奴のターゲットは、樹里だから 」
ターゲット......?
その言葉を聞いて、私は動きを止めた。
「何、それ。 もしかして、例の連続殺人に何か関係あったりして 」
「…… 」
その話をふった途端、ルキアは口を閉ざした。
何がおかしい。
私がじっとルキアを見つめると、目線をそらされて彼は目を合わせようとしない。
「あの事件、何か心当たりがあるの? 」
「……知らない 」
「じゃあ、どうして私が狙われてるのか教えて。 それともただの憶測? 」
「…… 」
「私がよそ者だから?! 」
「特別だからだよ 」
そうルキアは、気まずそうな表情を見せた。