闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~

私は荒い呼吸を整えながら、気持ちを落ち着かせた。


「今、これ以上の事は言えない 」


「やっぱり何か隠してるんだ 」



私はベッドから降りると、ドアのノブを掴んだ。



「違うよ 」


「来ないでっ 」



私は肩に触れようとするルキアを拒んだ。


どうしたらいいのか分からなくて、こうするしか出来ない。


そのまま部屋を出ると、私は足早に階段をかけ降りた。



廊下を歩いて行くと、ケイトがリビングから出てきた所だった。


私は無言で彼の腕を引っ張ると、玄関へ連れて行った。



「鍵、開けてもらっていい? 」



じっとノブを見て、念のために掴んで回してみるけど、やっぱり閉まっていた。



「開いてるよ 」



「今確認したばっかじゃない 」



私はもう1度ノブを握ると、扉は高い音を鳴らしてゆっくり開いた。


あ、あれ……?


何も触ってないのに回った。



唖然とした表情でケイトを見ると、彼は冷めた目で私を見た。



「帰りたいなら帰りなよ 」



私は言われるまま、苛立ちを隠しきれないまま屋敷の外へ出た。




< 115 / 224 >

この作品をシェア

pagetop