闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
私は荒い呼吸を整えながら、気持ちを落ち着かせた。
「今、これ以上の事は言えない 」
「やっぱり何か隠してるんだ 」
私はベッドから降りると、ドアのノブを掴んだ。
「違うよ 」
「来ないでっ 」
私は肩に触れようとするルキアを拒んだ。
どうしたらいいのか分からなくて、こうするしか出来ない。
そのまま部屋を出ると、私は足早に階段をかけ降りた。
廊下を歩いて行くと、ケイトがリビングから出てきた所だった。
私は無言で彼の腕を引っ張ると、玄関へ連れて行った。
「鍵、開けてもらっていい? 」
じっとノブを見て、念のために掴んで回してみるけど、やっぱり閉まっていた。
「開いてるよ 」
「今確認したばっかじゃない 」
私はもう1度ノブを握ると、扉は高い音を鳴らしてゆっくり開いた。
あ、あれ……?
何も触ってないのに回った。
唖然とした表情でケイトを見ると、彼は冷めた目で私を見た。
「帰りたいなら帰りなよ 」
私は言われるまま、苛立ちを隠しきれないまま屋敷の外へ出た。