闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
安全ピンで穴を開けた人がいるって聞いたことがあるし、以外と簡単に開けれるものなのかな。
だって、確かにピアスは付いてるし。
それにしても、不思議な人。
「その飾りが、きっと君を守ってくれる 」
「ありがとう 」
その意図はわからないけど、私は頷いて笑顔を見せた。
素直に彼の優しい心遣いが嬉しかった。
家の前に着くと、「じゃあ」とダークは私に背を向けた。
「よかったら、上がって行かない? お茶くらい出すよ。 お姉ちゃんも喜ぶと思うし 」
色々とお礼もしたいし。
「ありがとう。でも、俺はお茶は飲まない 」
そう言い残すと、彼は森の方へと帰っていった。
その姿を見送ると、私も黙って家へと入った。