闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
翌朝、神妙な面持ちで降りると、後からお姉ちゃんが起きてきた。
昨日は、色々と考え事をしててなかなか寝付けなかった。
「ごめん、起こしちゃった? 静かに降りてきたつもりだったけど 」
「やっぱり 」
そう「ふんっ」と、荒く鼻息を吐くと、お姉ちゃんは腰に手を置いて私を見た。
「あんた、今日は誰と待ち合わせ? 例のゆうきくん? 」
「だから、優希は女の子だって。 待ち合わせなんかしてないって 」
こっちは寝不足で、まだ頭働いてないのに。
私はため息をつきながら、はちみつパンを頬張った。
「ちょっと調べたいことがあるの 」
「真面目な顔しちゃって、どうせ気になる彼のことでしょー。 隠さなくてもいいのにさー 」
お姉ちゃんは冗談混じりに笑ったけど、私にとっては真剣なこと。
私は今日、あることを確かめるために早めに学校へ向かった。
時刻は7時30分。
先生が来る時間に合わせて、駐車場で待ち伏せた。
三上先生は、顔を合わせると私を職員室へ誘導した。
「それで、彼について何を知りたいの? 理由に寄っては、答えられない事もあるから。 個人情報だからね 」
資料や書類などを整理しながら、私を見つめた。
「ルキアの交友関係、ここに来る前の事や家族のこと全てです 」
先生は困った顔をしながら、書類に判子を押す。
「交友関係なら、あなたが1番よく知ってるでしょう。 彼らは他人とはつるまない。 あなたは除いてね 」